デパティ・フレレング作品特有の、洗練されたミニマリズムと強烈な色彩感覚が、西部劇という古典的ジャンルに新たな息吹を吹き込んでいます。主人公フート・クロートの極端なまでの短気さと、それを取り巻くシュールな間(ま)の演出は、アニメーションにおける視覚的ユーモアの極致と言えるでしょう。
ボブ・ホルトによるエネルギッシュな声の演技は、キャラクターに単なる滑稽さ以上の、どこか哀愁漂う人間味を与えています。権威を象徴する保安官という立場と、ままならない現実とのギャップが描くのは、滑稽なまでの不屈の精神です。ジャンルの定石を鮮やかに裏切るアイロニーに満ちた演出こそが、本作を時代を超えた傑作へと昇華させています。