本作は、華麗なるモードの裏側に潜む欲望と経済の冷徹なメカニズムを、極めて知的に解剖したドキュメンタリーの傑作です。エドモンド・シャルル=ルーやジェシカ・デイヴスといった伝説的編集者たちが放つ言葉には、流行を単なる夢物語で終わらせず、巨大なビジネスへと昇華させてきた圧倒的な自負と知的な凄みが宿っています。
映像が鮮明に描き出すのは、優雅なシルエットの影で繰り広げられる冷徹な知略の応酬です。当時の貴重な証言と緊張感あふれる構成は、ファッションが至高の芸術であると同時に、残酷なまでに資本主義的であるという真理を暴き出します。美学と実利が激しく火花を散らすその瞬間こそが本作の真骨頂であり、観る者の価値観を鮮烈にアップデートしてくれるでしょう。