インド映画の概念を塗り替えた本作の神髄は、肉体美と知性が融合した究極のスタイリッシュ・アクションにあります。怪盗を演じたリティク・ローシャンの変幻自在な変装と、重力を感じさせないキレのあるダンスは、単なる映像美を超えた芸術の域に達しています。追う者と追われる者の緊張感の中に、美学とプライドが交錯する様は圧巻です。
また、単なる犯罪劇に留まらず、孤独な天才が愛を知ることで変化していく心の機微を鮮烈に描き出しています。アイシュワリヤー・ラーイとの情熱的なケミストリーは、スクリーンの温度を急上昇させ、観る者の魂を揺さぶります。全編に漲る疾走感と、世界を股にかけた壮大なスケール感。これこそが、エンターテインメントの頂点を極めた一作である理由なのです。