新東宝を象徴する本作は、強烈な色彩美と陰鬱な情緒が同居する唯一無二の世界を築いています。特にお玉が池の静寂が湛える青白さと、そこに重なる鮮血の赤のコントラストは圧巻です。石川義寛監督による様式美を極めた演出は、単なる恐怖を超え、日本独自の情念を美しく、かつ残酷に描き出しています。
出演陣が体現する女性の悲哀と凄絶な執念は、作品に圧倒的な説得力を与えています。因果応報というテーマを軸に、愛憎に揺れる人間の業を、生々しい肉体性と幻想的な特撮技術で見事に融合させています。官能と恐怖が交錯する、怪談映画の真髄がここに凝縮されています。