ヘルベルト・アハテルンブッシュが放つ本作は、既存の宗教観や道徳観を真っ向から揺さぶる、極めて前衛的で挑発的な芸術作品です。キリスト教的な偶像崇拝への痛烈な皮肉を、シュールレアリスムの筆致で描き出すその演出は、観る者の倫理観を試すかのような緊張感に満ちています。単なる不謹慎な風刺に留まらず、信仰の形骸化を鋭く突き抜く視線には、作家の深い孤独と真理への渇望が宿っています。
キャスト陣の演技も凄まじく、アハテルンブッシュ自身の剥き出しの存在感と、アンナミール・ビアビヒラーの静謐ながらも力強い佇まいが、映像に異様な説得力を与えています。美しさと醜悪さが混然一体となった独自の映像美は、理性ではなく本能に訴えかけるエネルギーを放っており、既存の映画体験を根底から覆す破壊的な魅力に満ちた一作と言えるでしょう。