加山雄三演じる永遠のヒーロー若大将と、田中邦衛扮する愛すべき宿敵・青大将。本作の真骨頂は、単なる勧善懲悪を超えた二人の「美しき対照性」にあります。万能で清々しい若大将の光に対し、どこか抜けていて人間臭い青大将の影。この二つの個性が火花を散らすことで、当時の日本が持っていた楽天的なエネルギーが見事にスクリーンへ定着しています。
本作の白眉は、音楽やスポーツを媒介にした青春の多幸感が、観客を最高にポジティブな世界へと誘う点です。田中邦衛の喜劇的センスと、加山雄三が放つ圧倒的なスター性が完璧に融合し、単なる娯楽の枠を超えて「全力で生きる尊さ」を鮮烈に描き出します。シリーズの節目にふさわしい、不朽のバイタリティに満ちた傑作です。