このドキュメンタリーが映し出すのは、虚構と現実の境界線上で格闘する園子温監督の剥き出しの執念と情熱です。被災地という重い主題に対し、単なる記録を超えて「物語」を構築しようとする凄まじいまでの創作現場の熱量は、観る者の魂を激しく揺さぶり、表現の深淵を突きつけます。
深水元基らキャスト陣が極限状態で絞り出す演技の裏側には、震災という未曾有の事態に向き合う作り手の祈りと、妥協を許さない作家の残酷なまでの誠実さが共生しています。銀幕へと昇華される瞬間の奇跡を克明に刻んだ本作は、映像作品が現実に対抗し得る唯一の武器であることを証明する、極めて純度の高い人間讃歌です。