“公務員、闇堕ち―”
市役所の生活福祉課に務める佐々木は、ある日「同僚が生活保護受給者のシングルマザーに肉体関係を迫っているらしい」という相談を受け、真相を確かめようと彼女のもとを尋ねる。その出会いが“地獄”の始まりだとも知らず…。
焼け付くような日差しと湿り気を帯びた空気が、理性をじわじわと蝕んでいく。本作の真髄は、この逃げ場のない閉塞感を見事に視覚化した演出にあります。主演の北村匠海が魅せる、善良さが摩耗し漆黒の絶望へと転じゆく瞳の演技は圧巻。河合優実の持つ危うい磁力と、伊藤万理華の鋭い存在感が、物語に抜き差しならない緊迫感を与えています。 平凡な日常が社会の歪みに足を取られ、泥沼の深淵へと引きずり込まれていく様は、現代を生きる我々にとって決して他人事ではありません。善悪の境界が揺らぎ、墜ちていく者たちの叫びが、圧倒的な映像美と熱量で胸を抉ります。この映画が突きつけるのは、人間の脆さとその果てに見える剥き出しの真実。鑑賞後、あなたの倫理観は根底から覆されるはずです。
監督: 城定秀夫
脚本: 向井康介 / 染井為人
音楽: 遠藤浩二
制作: 深瀬和美 / 秋山智則 / 藤本款
撮影監督: 渡邊雅紀
制作会社: THE KLOCKWORX / KADOKAWA / C&I entertainment