ドン・ノッツとティム・コンウェイという喜劇界の至宝が放つ、絶妙に噛み合わないアンサンブルこそが本作の白眉です。古典的なゴシック・ホラーの不気味な舞台装置を逆手に取り、静寂を切り裂くようなドタバタ劇へと昇華させる演出は見事というほかありません。恐怖と笑いは紙一重であるという真理を、二人の卓越した身体表現が鮮やかに証明しています。
単なるパロディに留まらず、本格的なミステリーの緊張感を維持しながらも、徹底して「愚かさの美学」を貫く姿勢には、娯楽映画としての気高いプライドが感じられます。計算し尽くされた「間」が生み出す爆笑の渦と、随所に散りばめられた怪奇要素のコントラストは、観る者を飽きさせない至福の映画体験を約束してくれるでしょう。