フランス・ポラールの真髄がここにある。本作の最大の魅力は、凶悪犯の追跡よりも、組織内部の功名心が生む凄まじい火花だ。クロード・ブラッスールの野性味溢れる情熱と、クロード・リッシュの冷徹な知性が激突する演技合戦は、観る者の神経を極限まで逆なでする緊迫感に満ちている。
正義を掲げながらも、メンツと縄張り争いに溺れていく警察機構の闇を、監督は一切の容赦なく暴き出す。都会の静寂に潜む暴力性と、組織という怪物が個人を飲み込む無情さ。これこそが、単なる追跡劇を超えた人間心理の深淵を描くドラマとしての、震えるような凄みである。