時代の空気を切り取った、あまりにも生々しいドキュメンタリーの傑作です。被写体である涼子の、虚勢と純真が入り混じる危うい存在感こそが本作の核心と言えるでしょう。カメラは彼女の日常に深く潜り込み、単なる記録を超えて、二十一歳という季節が持つ特有の焦燥感と輝きを、残酷なまでに美しく浮き彫りにしています。
演出を排したかのような荒々しい映像が、当時の新宿という街の混沌と響き合い、観る者の皮膚感覚を直接刺激します。社会の枠組みから零れ落ちようとする個人の魂の叫びを、映像言語だけで捉えきった制作陣の眼差しは極めて鋭く、今なお色褪せない普遍的な青春の痛みと解放を我々に突きつけてくるのです。