“暴力に身を委ね、冒涜の限りを尽くす。”
殺人を犯し、生まれ育った教会の教護院へ戻った青年・朧。彼は腐敗しきった教護院で、暴力や強姦などあらゆる罪を犯して神を挑発する。一方、その恐ろしい行為は、聖職者たちに劇的な変化をもたらしていく。
本作が放つのは、宗教という静謐な枠組みを根底から揺さぶる、生々しい人間の業と暴力性の咆哮です。冷徹なまでに無機質な質感を帯びた映像は、神の沈黙と肉体の叫びを痛烈に対比させます。主演の新井浩文が見せる虚ろな眼差しは、救いのない世界で蠢く孤独と狂気を体現しており、観る者の倫理観を激しく揺さぶり続けます。 聖と俗、信仰と背徳が混濁する空間で、言葉による救済ではなく、生理的な感覚を通して生の深淵が暴かれます。祈りさえも届かない暗闇の中で脈打つ、人間の剥き出しの鼓動。この映画が突きつけるのは、綺麗事では拭えない人間の本質的な重みであり、その圧倒的な映像体験は、観る者の魂に強烈な傷跡を刻み込むはずです。
監督: 大森立嗣
脚本: 花村萬月 / 浦沢義雄
音楽: 千野秀一
撮影監督: 大塚亮
制作会社: Arato Production