山本浩司、山本剛史、宇野祥平という、日本映画界が誇る稀代のバイプレーヤーたちが織りなす極上のアンサンブルが本作の核です。彼らの剥き出しの存在感と、計算された「隙」のある絶妙な掛け合いは、観る者にフィクションと現実の境界を忘れさせ、閉塞感漂う時代の空気を鮮烈に捉えています。
パンデミックという未曾有の事態を、あえて矮小で滑稽な日常の延長として描く視点に、映画表現としての鋭い気概を感じます。抗いようのない停滞の中で必死に「無事」であろうとする滑稽さと切実さは、私たち自身の姿そのものです。画面から溢れ出す低予算ゆえの生々しい熱量は、映画が時代を記録する装置であることを改めて証明しています。