ヌーヴェルヴァーグの金字塔が誕生した背景を紐解く本作は、愛と友情を追い求めた表現者たちの魂の記録です。ジャンヌ・モローらの証言を通じ、スクリーンの裏に潜む痛切な情熱や、刹那の美を永遠に閉じ込めようとしたトリュフォーの執念が浮かび上がります。映画という魔法が、現実をいかに普遍的な神話へ昇華させるかを問いかける、極めて知的な映像体験です。
アンリ=ピエール・ロシェの自伝的原作が、映画という媒体でいかに躍動する生を獲得したか。その変遷の考察は刺激に満ちています。活字の内省を、映像特有のテンポとモローの存在感で「今、ここにある命」へ変換したトリュフォーの感性。原作を尊びつつ、光と影の芸術へ塗り替えた創造の共鳴は、観客の感性を激しく揺さぶるでしょう。