あらすじ
漫才協会に所属する芸人たちの悲喜こもごもを追ったドキュメンタリーとして、本作が初監督作品となる塙宣之のメガホンで映画化。
作品考察・見どころ
本作の魅力は、時代を置き去りにして笑いに命を懸ける芸人たちの圧倒的な生命力にあります。土屋伸之監督が内部から切り取った視点は、浅草という聖地に棲む怪人たちの生き様への深い敬意に満ちています。不器用で滑稽、それでも舞台に立ち続ける彼らの姿は、効率を求める現代社会への痛烈なカウンターとして鮮烈に響きます。
小泉今日子の語りが楽屋裏に光を添え、観る者を唯一無二の空間へ誘います。これは人間の業を肯定し、笑いという哲学を突きつける傑作です。マイクの前に戻り続ける「懲りない」精神の美しさに、私たちは明日を生きる勇気と強烈な羨望を覚えずにはいられません。