あらすじ
義理と人情に生きる男、「為五郎」シリーズ第4作。脚本は前作「やるぞみておれ為五郎」の加藤泰と、監督の野村芳太郎。撮影も同作の川又昂がそれぞれ担当。
作品考察・見どころ
ハナ肇という稀代の喜劇役者が放つ、野性味溢れる人間力が本作最大の白眉です。不器用ながらも真っ直ぐに生きる主人公の姿は、共演の藤田まこととの絶妙な掛け合いによって、爆笑の中にも深い哀愁を漂わせます。彼らが体現する格好悪さの美学は、効率や体裁ばかりを重んじる現代社会において、泥臭くも温かい人間性の回復を熱烈に訴えかけてくるのです。
野村芳太郎監督が描くのは、単なる喜劇の枠を超えた生きる力そのものです。タイトルの通り、人生の華やかさと実利の両方を泥臭く追い求める人々の愛おしさが、全編に満ち溢れています。映像ならではの躍動感あるコメディの間合いと、ふとした瞬間に差し込まれる叙情的な情景が、観る者の心に明日への活力という種を力強く蒔いてくれる、正真正銘の人間賛歌といえるでしょう。