あらすじ
第二次世界大戦末期の北支戦線。クズ兵士ばかりを集め危険な任務に当たらせる“独立愚連隊”と呼ばれる部隊に、従軍記者の荒木がやってくる。交戦中に中国人慰安婦と心中したという、見習士官のことを調べに来たという。実は荒木の正体は大久保元軍曹であり、彼こそ見習士官の実の兄であり、弟の死の真相を知るため戦地に赴いたのだった。死んだ慰安婦の妹から紙片を渡された大久保は、弟が上官の不正を部隊長に告発しようとして、その上官から逆に殺されたことを知る。
作品考察・見どころ
岡本喜八監督の才気がほとばしる本作は、従来の重苦しい戦争映画の概念を根底から覆す「活劇」としての悦びに満ちています。ウェスタンを彷彿とさせる乾いたニヒリズムと、小気味よいテンポで展開するカッティングの妙は、公開から年月を経た今なお鮮烈な刺激を放っています。軍隊という巨大組織の欺瞞を、一癖も二癖もあるアウトローたちの視点からシニカルに笑い飛ばす快感こそが、本作の真骨頂と言えるでしょう。
主演の佐藤允が見せる野性味溢れる存在感は圧倒的で、型破りな男たちが織りなす群像劇に強烈な生命力を吹き込んでいます。戦時下の不条理を単なる悲劇に留めず、どん底でしぶとく生き抜く人間のエゴイズムと美学を、極上のエンターテインメントへと昇華させた手腕は見事です。既存の価値観を破壊し、自由を謳歌しようとする彼らの姿は、現代を生きる我々の魂をも熱く揺さぶります。