少女が少年を演じる倒錯的な美学を通じ、思春期の永遠と刹那を結晶化させた点に本作の真髄があります。閉ざされた寄宿舎という箱庭で繰り広げられる愛憎は、虚構ゆえに剥き出しの純粋さを放ちます。金子修介監督によるレトロフューチャーな映像美は、観る者をノスタルジーの深淵へ誘い、時を止めるような魔力に満ちています。
後の名優たちが放つ、その瞬間にしか存在し得ない危うい輝きは圧巻です。性別の境界を曖昧にして浮かび上がるのは、記号化されない魂の叫びそのもの。若さの残酷さと美しさが同居するこの傑作は、心の奥底に眠る「失われた夏」を激しく揺さぶり、観る者の記憶に永遠に刻まれ続けることでしょう。