本作の真骨頂は、主演の鰐淵晴子が放つ圧倒的な透明感と、彼女を取り巻く高峰三枝子、沢村貞子という日本映画界の名優たちが織りなす極上のアンサンブルにあります。若き花嫁の揺れ動く繊細な心情を、瑞々しい演技で体現した鰐淵の美しさは、当時の松竹映画が誇る気品と叙情性を象徴しており、スクリーンから溢れ出す光彩は今なお観る者の心を捉えて離しません。
作品を貫くのは、結婚という人生の節目に交錯する喜びと寂寥の二面性です。タイトルの通り、泣いて笑うという人間の複雑な感情の機微を、丁寧な演出が見事に掬い上げています。家族の絆が形を変えていく瞬間の、切なくも温かな情景描写は、単なるホームドラマの枠を超え、時代を越えて普遍的に人々の魂を震わせる力強いメッセージを内包しています。