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本作の真骨頂は、戦時下の緊迫感を生々しく捉えた演出と、職人としての誇りが国境を越える瞬間の熱量にあります。クリフォード・エヴァンス演じる主人公が、仕事への責任感のみを糧に敵地へ赴く姿は、英雄譚を超えた極上の人間ドラマです。トミー・トリンダーの軽妙かつ真摯な演技が、絶望的な逃避行に血の通った温もりを与え、観る者の心を激しく揺さぶります。 崩壊するフランスを背景に、重厚な機械という無機質な存在が意志を持つかのように描かれる様は見事です。官僚主義を突き破り、現場の知恵と勇気が歴史を動かすという普遍的なメッセージは、現代にも強い示唆を与えます。国家の存亡の中で市井の人間が放つ一瞬の輝きを鮮烈に刻みつけた、英国映画黄金期の魂を揺さぶる傑作です。
監督: Charles Frend
脚本: J. B. Priestley / John Dighton / Angus MacPhail
音楽: William Walton
制作: Michael Balcon
撮影監督: Wilkie Cooper
制作会社: Ealing Studios