この映像作品の真髄は、ロックンロールという原始的な衝動が持つ、圧倒的な浄化作用と生命力の爆発にあります。アンガス・ヤングの縦横無尽なステージングと、ブライアン・ジョンソンの魂を揺さぶる咆哮は、単なる演奏を超えた儀式のような神聖さすら漂わせています。巨大な観衆を一つに束ねるその熱量は、画面越しであっても観る者の心拍数を極限まで高めずにはいられません。
特筆すべきは、困難に直面した都市へのエールという背景が、彼らの泥臭くもストレートな音に深みを与えている点です。装飾を削ぎ落とし、リズムとコードのみで世界を圧倒するマルコム・ヤングの盤石なバッキングは、音楽が持つ「再生」への祈りそのものです。映像技術的な完成度を超え、観る者に生きる勇気と歓喜を直接叩きつける、究極のライヴ・ドキュメントと言えるでしょう。