本作の真髄は、怪異を待つのではなく攻め込むという狂気のアプローチにあります。ギンティ小林や平山夢明らによる、恐怖の深淵へと土足で踏み込む姿はホラーの常識を覆します。未知の存在に真っ向から喧嘩を売る人間の野蛮さと勇気が、不謹慎ながらも極上のエンタメへと昇華されている点は圧巻です。
生々しい手持ちカメラが捉えるのは、虚飾を剥ぎ取った暗闇の深淵です。静寂を切り裂く怒号と、恐怖と笑いが紙一重で同居するカタルシスは、本作でしか味わえません。幽霊を実在の対戦相手として捉える剥き出しの好奇心に触れれば、鑑賞者の本能は激しく揺さぶられることでしょう。