作品の真髄は、サラ・ステルンら実力派が織りなす洗練されたアンサンブルにあります。軽妙なコメディの枠組みでありながら、等身大の葛藤や人間味溢れる演技が、観客の心に心地よい刺激を与えます。女性たちの連帯と個性が火花を散らす演出は、圧巻のテンポ感で物語を鮮やかに牽引しています。
単なるロマンスを超え、自分らしさの追求というテーマを映像美で描き出す手腕は見事です。色彩設計や心情を代弁する演出は言葉以上に雄弁で、日常に潜む「誘惑」を肯定する彼女たちの姿は、観る者に鮮烈な解放感を与えます。不器用ながらも前を向く生命力に満ちた、至福の映像体験といえるでしょう。