本作の魅力は、人生の不協和音をジャズのビートへと昇華させる独創的な演出美にあります。タイトルの通り、予定調和を裏切るシンコペーションのような展開は、夢を追う者の焦燥と情熱を鮮烈に描き出します。挫折すらも人生を彩るリズムとして肯定する、深く優しい視線が全編に貫かれています。
オスヴァルド・デ・レオンが見せる、脆さと野心が同居した演技は圧巻です。軽妙なコメディの裏側に漂うドラマチックな哀愁が、観る者の心に鋭く刺さります。音楽の躍動感とままならない現実を戦わせる、映像表現ならではの視覚と聴覚が共鳴する珠玉の人間讃歌です。