本作の本質的な魅力は、ヒーロー映画の様式美を徹底的に解体し、過剰なナンセンスで塗り替える潔さにあります。ゼロ年代アメコミ映画の重厚な演出をあえて低俗なギャグへ置換する手法は、ジャンルへの愛ある皮肉として完成されています。シリアスな画作りであればあるほど笑いがこみ上げるという、劇画的カタルシスの鮮やかな逆転こそが本作の真骨頂です。
コメディ界の至宝レスリー・ニールセンが見せる真顔のボケは、作品に圧倒的な説得力を与えています。超人という概念の欺瞞を笑い飛ばし、英雄の苦悩を徹底的に脱構築する姿勢は、単なるパロディを超え、虚飾に満ちた現代の神話に対する痛烈な批評精神すら感じさせます。大人が童心に帰って笑い転げるための、至高のエンタメ作品です。