Squidの「Rock en Seine 2022」は、単なるライブ映像の枠を超え、剥き出しの衝動と緻密な構築美が衝突する瞬間を捉えた極上のドキュメントです。オリー・ジャッジの激しいドラミングと叫びが、不協和音を歓喜へと変容させるプロセスは圧巻であり、ポストパンクの枠を軽々と飛び越える彼らの実験精神が、広大な野外ステージという空間で凄まじい熱量を持って解放されています。
見どころは、演者たちの視線が交差する瞬間に生まれる緊密なアンサンブルと、混沌の中に秩序を見出すスリリングな演出です。映像を通じても皮膚を刺すような緊張感が伝わり、音楽という表現が持つ根源的なエネルギーを再確認させてくれます。現代的な焦燥感を芸術へと昇華させる彼らの姿は、観る者の魂を激しく揺さぶり、ライブという一期一会の魔力を見事に結晶化させています。