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本編を貫くのは、静寂と躍動が交錯する圧倒的な美の旋律です。単なる音楽映画の枠を超え、身体という楽器が音符を刻むかのような視覚体験は、観る者の五感を鋭く研ぎ澄ませます。アポリヌ・アンケティルやエロイーズ・ブルドンらが見せる、指先一つにまで魂を宿らせた舞踏は、目に見えない音の粒子を物質化させ、空間そのものを変容させる力強さに満ちています。 波止場を意味する題名が象徴するように、外界の喧騒を遮断し、自己の内奥へと深く潜り込んでいく精神性がこの作品の核です。タケル・コステを含めた演者たちの研ぎ澄まされた肉体表現は、言葉を排したからこそ到達できる、根源的な生への賛歌と言えるでしょう。一瞬の静止に宿る緊張感と、溢れ出す感情の奔流が、鑑賞後の心に消えない残響を残す至高の芸術作品です。
監督: Damien Jalet / Louise Narboni
音楽: Koki Nakano / Nils Frahm
制作会社: Le Grizzly / Opéra National de Paris / Paris Opera Ballet / France Télévisions