本作の真髄は、欲望が渦巻く浪速の街を舞台に、金という魔物が暴く人間の本性を冷徹かつ情熱的に描き出した点にあります。主演の高杉真宙が体現する灰原の危ういまでの純粋さは、百戦錬磨の金融屋たちが放つ威圧感と鮮烈なコントラストを成し、観客を底知れぬ物語の深淵へと誘います。単なる勧善懲悪では語りきれない、生々しい人間模様の交錯こそが最大の白眉と言えるでしょう。
青木雄二による伝説的な原作漫画の独特な画風を、現代的なリアリズムへと昇華させた映像演出も見事です。漫画特有の誇張された泥臭さを、実写ならではの緊迫感と緻密な心理描写に置き換えることで、社会情勢が変化した現代においても、金に翻弄される人々の普遍的な恐怖と悲哀をより鋭利に突きつけてきます。