ベオグラードの街並みを背景に、生と死、そして初恋という普遍的なテーマを鮮烈に描き出した一作です。青春の痛みを喜劇的な軽やかさで包み込む演出が秀逸で、画面から溢れ出す色彩豊かなエネルギーに圧倒されます。混沌とした日常の中で見出す一瞬の美しさが、観る者の感性を鋭く刺激するでしょう。
デニス・ムリッチの瑞々しい演技とブランカ・カティッチの深みのある佇まいが、家族の絆と個の自立という葛藤に圧倒的なリアリティを与えています。不条理な現実を笑い飛ばしながらも、根底に流れる真摯な人間愛のメッセージは、喪失を抱えながら未来へ踏み出す勇気を、私たちに情熱的に語りかけてくるのです。