演技という魔力そのものを描いた本作は、三人の大女優が織りなす極限の心理戦が最大の魅力です。画面越しに伝わる圧倒的な存在感と、芸の真髄を追い求めるひたむきな情熱が、観る者の魂を激しく揺さぶります。彼女たちの言葉一つひとつに宿る重厚な響きは、まさに演劇という芸術への純粋な賛歌といえるでしょう。
原作戯曲「E.R.」の映像化において、監督はクローズアップを多用することで舞台にはない「秘められた内面」を鮮烈に暴き出しました。舞台芸術の刹那的な美しさを映画として定着させ、継承される孤独や憧憬を繊細な表情の揺らぎで表現した点は、映像メディアならではの勝利です。俳優という生き様の深淵に触れる、濃密な映画体験が約束されています。