櫛田聖監督が放つ、視覚と感情をハックする美しき狂気。本作の真髄は、母娘という濃密な関係を「視覚の共有」というデバイスで極限まで先鋭化させた点にあります。端正な映像美と、歪んだ愛情が静かに火花を散らす演出は、観る者の倫理観を激しく揺さぶり、未知の感覚体験へと誘います。
小野あかねと設楽もねの、魂が溶け合うような圧巻の演技は、自己愛と他者支配の境界を問いかけます。身体を侵食する恐怖と、救済としてのエゴイズム。愛ゆえの狂気が、瞳の奥の孤独を鮮烈に浮き彫りにする、これまでにない衝撃のスリラー体験がここにあります。