あらすじ
ペテン師、元やくざ、馬鹿正直者という三人のろくでなしが、それぞれの目的から、必死に銭を作ろうとする姿を笑いと涙とエロチシズムで描く
作品考察・見どころ
三波伸介という希代のコメディアンが持つ、言葉を超えた圧倒的な肉体性と「顔」の説得力が本作の核心にあります。彼の豊かに動く表情は、単なる笑いの道具ではありません。それは市井の人々が抱える悲哀やしたたかさを代弁しており、タイトルが示す通り、まさに生き様そのものが刻まれた造形美として観る者に迫ってきます。内田良平や砂塚秀夫との異色のアンサンブルが、喜劇の中に絶妙な緊張感と人間味溢れるリズムを生み出している点も見事です。
作品の本質は、泥臭くも愛おしい人間賛歌に集約されています。時代の波に翻弄されながらも、喜怒哀楽を隠さず全力で生きる男たちの姿は、合理性を求める現代の私たちが忘れかけているバイタリティを強烈に呼び覚ましてくれます。笑いの裏側に潜む一筋の涙、そしてそれを力強く笑い飛ばす生命力の強靭さこそが、本作が放つ色褪せない輝きです。スクリーン越しに突きつけられる彼らの「顔」から、人生を丸ごと肯定する勇気を受け取ってください。