本作の神髄は、若き日の妻夫木聡と藤原竜也が放つ、魂の火花を散らすような共鳴にあります。不器用なまでに愚直な優しさを体現するさぶと、不条理な運命に翻弄されながら孤独な怒りを燃やす栄二。対照的な二人が織りなす情熱的な絆は、単なる友情という言葉では片付けられない、人間の尊厳を懸けた圧倒的な熱量を帯びています。
光と影を巧みに操る映像演出は、閉塞感漂う時代の空気を生々しく切り取りつつ、絶望の淵に差す一筋の光を鮮烈に描き出します。沢田研二ら実力派俳優陣が脇を固めることで物語に重厚な深みが加わり、信じることの難しさとその先にある救済が、観る者の心に激しく突き刺さる傑作です。