本作の圧倒的な魅力は、身体的制約を超えて「生」と「性」を渇望する魂の気高さを、ユーモアと慈愛に満ちた視点で描き切った点にあります。ジョン・ホークスが表情だけで演じきる凄みと、ヘレン・ハントが見せる献身的な熱演は、単なる肉体の接触を超えた深い精神的充足を提示し、人間の尊厳を鮮やかに浮き彫りにします。
性と信仰というテーマが交錯する中で、ウィリアム・H・メイシー演じる神父の存在が物語に類まれな軽妙さと救いをもたらしています。誰かと触れ合うことの根源的な喜び、そして自己を肯定するプロセスの美しさを、温かな叙情性をもって紡ぎ出した、真に豊穣な人間讃歌といえる傑作です。