本作は、閉塞感漂う日常の中で突如として牙を剥く暴力の連鎖を、極限まで削ぎ落とされた演出で描き出した衝撃作です。主演の佐倉弘美が放つ、抗い難い運命に翻弄されながらも失われない生命の煌めきは、観る者の倫理観を激しく揺さぶります。山本竜二ら脇を固める俳優陣の、抑制の効いた不気味な存在感も、作品の緊張感を一層高めています。
ただの過激な描写に終始せず、都会の影に潜む無関心や孤独という普遍的なテーマを浮き彫りにするその作家性は圧巻です。剥き出しの身体表現を通じて追求される人間の尊厳とは何か。本作は、映像という媒体が持つ狂気と美学を極限まで融合させ、観る者の記憶に消えない爪痕を残す、真に挑発的な人間ドラマと言えるでしょう。