あらすじ
マール星からやってきたチンプイと少女エリが巻き起こす珍騒動を描く、藤子・F・不二雄原作のアニメ映画化。謎の生物にアルバムを盗まれたエリは、チンプイとともに跡を追い砂漠に着く。
作品考察・見どころ
本作の真髄は、日常の延長にあるSF要素を「活動大写真」という虚構の枠組みで捉え直す、遊び心溢れる演出にあります。画面から溢れ出す鮮やかな色彩とテンポの良い展開は、子供向けの枠を超え、物語を愛する大人をも魅了して止みません。異世界の華やかさと日本の家庭の温もりが混じり合う独特の空気感は、アニメーションならではの躍動感で見事に描き出されています。
声優陣の演技も白眉です。林原めぐみ氏が演じるエリの、思春期特有の揺れ動く感情と芯の強さは、観る者の心に深く刺さります。平凡な幸せと特別な運命の間で葛藤しながらも、自分らしくあろうとするメッセージは、自己選択の尊さを思い出させてくれます。短編ながら深い余韻を残す、夢と魔法が詰まった映像体験と言えるでしょう。