あらすじ
失業したサーカス団員が、退職金代わりに貰った鸚鵡のカゴの中に借金の証文を発見したことから巻き起こるドタバタコメディ。
作品考察・見どころ
本作の核心は、虚構と現実が交錯する都市の喧騒の中で、孤独な魂が不器用に共鳴し合う「生の熱量」にあります。郷ひろみの瑞々しい感性と秋吉久美子の危うい色香、そして樹木希林の超然とした佇まい。この奇跡的な配役が、単なるコメディの枠を越え、人間という生き物の多面性と愛おしさを鮮烈に炙り出しています。
予定調和を拒むようなアナーキーな演出は、現代の整然とした映画にはない剥き出しの自由を感じさせます。滑稽なほど必死に生きる登場人物たちの姿を通じて、私たちは自分らしくあることの困難さと、それでも誰かを求めずにはいられない人間の業を突きつけられるのです。銀幕から溢れ出す熱いエネルギーに、魂が激しく揺さぶられる一作です。