鈴木勝吾と平野良が体現する、ウィリアムとシャーロックの魂の共鳴は圧巻です。本作の本質は、絶対悪を前に正義と悪の境界が崩れ去る瞬間の美しさにあります。藤田玲演じる敵役が、二人の天才を逃れられぬ運命へと縛り付け、観る者の倫理観を激しく揺さぶる至高の人間ドラマを構築しています。
原作漫画の緻密な構成を、舞台ならではの「音楽」へと昇華させた手腕は見事です。紙面では描ききれない内面の慟哭が旋律となり、五感に直接訴えかけます。歌声に宿る情熱により、物語は推理劇を超え、二人が背負う罪と絆を刻印する、映像・舞台芸術でしか成し得ない鮮烈な叙事詩へと昇華されています。