自分らしく在ることの困難と歓喜を、鮮烈なドラァグ・クイーンの虚飾と純真さで描き出す本作。最大の魅力は、森崎ウィンと髙橋颯が体現する、若さゆえの危うさと圧倒的なオーラの共鳴です。閉塞感漂う日常を自らの手で塗り替え、アイデンティティを確立していく姿は、単なる成長記録を超えた魂の解放として観る者の心を震わせます。
安蘭けいが魅せる深い慈愛の演技は、作品に血の通った温かみを与え、個人の葛藤を普遍的な愛の物語へと昇華させています。躍動するダンスと感情を揺さぶる歌声が、言葉にできない孤独さえも希望の光へと変換していく。今の自分を愛し、誇りを持って一歩を踏み出す勇気を、これほどまでに熱烈に肯定する本作の熱量は圧巻の一言に尽きます。