羽仁進監督の類まれなる感性が光る本作は、ドキュメンタリーと劇映画の境界を鮮やかに崩し、子供たちの内面にある瑞々しい生命力を克明に映し出しています。作為を排した演出が、少年たちの揺れ動く感情や言葉にならない叫びを、驚くほど純粋な形で掬い取っており、観る者はスクリーン越しに「生」の圧倒的なリアリティを突きつけられるでしょう。
西島悌四郎や木村俊恵らが見せる、虚飾を削ぎ落とした存在感は圧巻です。彼らの佇まいが放つ静かな説得力は、未来を担う子供たちへの深い慈愛と、彼らを包み込む社会への鋭い問いかけとして響きます。閉塞感の中に一条の光を見出すような、希望へと繋がる眼差しが胸を打つ、日本映画史に残る珠玉の人間讃歌といえます。