ハンス・クラウス演じる主人公とテオ・リンゲン演じる校長との、世代を超えた火花散るコミカルな掛け合いこそが本作の白眉です。権威に対する無邪気な反逆が、映画というキャンバスの上で爆発的なエネルギーへと昇華されています。リンゲンの端正でありながら滑稽な演技は、喜劇としての品格を決定づけています。
単なる悪ふざけの羅列に留まらず、抑圧された日常からの解放という普遍的なメッセージが、瑞々しい映像感覚で綴られています。ハインツェの歌声が添える叙情性が、騒々しいコメディの中に一筋の詩情をもたらし、観る者の心にノスタルジーを呼び覚まします。自由を希求する魂の輝きが、今なお色褪せない魅力を放つ逸品です。