この作品の真髄は、主演のアギルド・リベイロが体現する軽妙かつ毒のあるユーモアにあります。一世を風靡した「プレイボーイ」という記号的な存在を、単なる憧れの対象としてではなく、滑稽なまでの虚栄心にまみれた偶像として描き出す演出が秀逸です。当時のブラジル社会が抱いていた享楽的な空気感を見事に切り取り、色彩豊かな映像美とともに、観る者を一気に狂騒の渦へと誘います。
単なるドタバタ劇に留まらない、人間の愚かさと愛おしさを浮き彫りにする批評精神こそが本作の見どころです。富や名声に執着する男たちの姿は、時代を超えて現代の我々の虚飾をも射抜く鋭さを持っています。演者たちのエネルギッシュな肉体表現と、計算された間が織りなす笑いの連続は、映像という媒体でしか成し得ない圧倒的な躍動感に満ちており、観客の心に鮮烈な解放感を与えてくれるでしょう。