本作は、禁煙という社会的なテーマを扱いながらも、単なる啓蒙活動の枠を超えた風刺的な鋭さと人間味溢れるユーモアが同居する異色のドキュメンタリーです。ルネ・テイラーとジョセフ・ボローニャという名コンビが放つ絶妙な掛け合いが、重苦しい事実を軽快に、かつ残酷なほど鮮やかに描き出します。二人の圧倒的な表現力が、情報の羅列に血の通った説得力を与えている点が最大の魅力です。
虚飾を剥ぎ取ったありのままの真実を突きつける本作の演出は、視聴者の倫理観を激しく揺さぶります。タバコ産業の裏側にある不都合な真実を、皮肉と情熱を込めて暴き出すその姿勢は、公開から時を経ても色褪せない普遍的な警告として響くでしょう。知的好奇心を刺激すると同時に、自己の選択に対する覚悟を問う、まさに五感で体感すべき映像体験といえます。