本作の魅力は、若さゆえの衝動を映像の中に完璧に閉じ込めた点にあります。マリア・バルベルデとMario Casasが体現する、住む世界の異なる二人の魂の共鳴は圧巻。バイクの咆哮と鼓動が重なり合う疾走感溢れる演出が、二度と戻らない一瞬の輝きを鮮烈に刻みつけ、観る者の感覚を鋭敏に研ぎ澄ませます。
空高く至る至福と、その後に訪れる残酷なまでの喪失。本作はロマンスの枠を超え、青春という名の永遠の切なさを描き出しています。溢れ出す情熱と脆さが同居する映像美に身を委ねれば、かつて感じた愛の熱狂が、鮮やかな色彩を伴って心に突き刺さることでしょう。