バリー・レヴィンソン監督が描く本作の魅力は、名優二人が繰り広げる火花散る演技合戦にあります。ドレイファスとデヴィートが、虚飾で生きる男たちのプライドを激突させる様は滑稽ながらも気品があり、二人の間に生まれる強烈な化学反応こそが、物語を牽引する最大の原動力となっています。
本作は、時代の変遷に抗う男たちの焦燥を洗練されたユーモアで描いています。些細な執着が人生を揺るがす様を温かく見つめる視線は、人間のエゴの愛おしさを浮き彫りにします。笑いの裏に隠された哀愁と不器用な人間讃歌に、映画というメディアが持つ深い豊かさを感じずにはいられません。