本作の神髄は、密室で交わされるマシンガントークの圧倒的な熱量にあります。デニス・リアリー、ジュディ・デイヴィス、ケヴィン・スペイシーの演技派三人が、互いのエゴをぶつけ合う様は圧巻です。強盗が夫婦喧嘩の仲裁に入るという皮肉な設定が、人間の虚飾を鮮やかに剥ぎ取る過程は、知的な快感に満ちています。
崩壊した家族の再生を問う本作は、罵詈雑言の裏に潜む孤独や愛情を浮き彫りにします。極限状態でしか語れない真実が露わになる瞬間、爆笑は奇妙な感動へと昇華されるでしょう。毒気の中に宿る切実な人間味を、鋭利な筆致で描き出した演出の妙をぜひ堪能してください。