あらすじ
常田菜摘は美大卒業後にデザイン会社に就職するもうまくいかず、現在はアイスクリーム店でアルバイトをしている。今後の身の振り方について思い悩む彼女は、常連客の作家・橋本佐保に運命的なものを感じ、彼女の存在が頭から離れなくなる。菜摘のバイト仲間で後輩の桑島貴子は、そんな菜摘を複雑な思いで見つめていた。一方、アイスクリーム店の近所に暮らす高嶋優の家に、疎遠になっていた姉の娘・美和が急に訪ねてくる。数年前に出て行った父を探しに来たという美和との突然の共同生活に戸惑う優だったが……。
作品考察・見どころ
本作の最大の魅力は、広告界の旗手が手掛けた圧倒的な色彩美と、甘くもどこか冷ややかな温度感の演出にあります。画面に広がるパステルカラーは、都会に生きる女性たちの孤独と憧れを美しく切り取り、まるで一枚のアートを眺めるような没入感を与えます。日常の何気ない瞬間が、光と影のコントラストで特別な輝きを放つ、魔法のような映像体験です。
吉岡里帆が見せる繊細な心情と、モトーラ世理奈の透明感が火花を散らす瞬間に目を奪われます。溶けゆくアイスクリームのように、二度とは戻らない一瞬の繋がりを慈しむ姿は、見る者の心に静かな波紋を広げます。変わりゆく世界の中で、不変の愛おしさを探そうとする彼女たちの鼓動は、現代を生きる私たちの渇きを鮮烈に癒やしてくれるはずです。