本作が描き出すのは、空虚を抱えた魂が彷徨う、剥き出しの生の実感です。長崎俊一監督は、閉塞感漂う風景を冷徹かつ叙情的に切り取り、逃げ場のない孤独と焦燥を見事に映像化しました。何者にもなれない若者たちの、言葉にならない叫びが画面から溢れ出しており、観る者の胸を強く締め付けます。
主演の小林且弥が見せる危うい静寂と、みひろが体現した壊れそうな透明感、そして大西信満の圧倒的な存在感が共鳴し、凄まじい熱量を放っています。単なる喪失の物語ではなく、空っぽの状態から一歩を踏み出そうとする「生の震え」を鋭く捉えた一作です。絶望の果てにこそ宿る人間の体温を、その眼で確かめてください。