羽仁進監督がドキュメンタリー的手法を駆使して描き出した本作は、青春の瑞々しさと生理的な生々しさが同居する、日本映画史に刻まれた異端の傑作です。手持ちカメラが捉える不安定な揺れは、思春期特有の危ういアイデンティティそのものであり、虚構と現実の境界を曖昧にする圧倒的な臨場感に、観る者は息を呑むことでしょう。
タイトルの通り、清冽な「初恋」が「地獄」の様相を帯びて変容していく過程は、人間の内面に潜む業や孤独を残酷なまでに浮き彫りにします。社会の歪みや家族の闇に抗いながら、剥き出しの生をぶつけ合う若者たちの姿は、時代を超えて私たちの魂を激しく揺さぶり、真実の愛の所在を問いかけてくるのです。