1960年代末、アングラ演劇や前衛芸術が混沌と交錯する時代が生んだ、剥き出しの情念と暴力性が本作の核です。吉澤健の虚無感を湛えた佇まいと、女性たちの官能的な美しさが、ザラついた質感の映像の中で鮮烈に衝突します。単なる娯楽作という枠組みを超え、行き場のない孤独と生への渇望を、極限まで削ぎ落とされた演出で描き出している点に圧倒されます。
刹那的な快楽の裏側に潜む死の匂い、そして社会の底辺でうごめく人間の矜持を捉えた表現は、観る者の倫理観を激しく揺さぶります。言葉にできない焦燥感を、肉体の躍動と沈黙の対比で表現し尽くした本作は、まさに映像による「詩」といえるでしょう。理屈を超えた衝動が画面から溢れ出し、現代の映画では決して味わえない泥臭くも崇高な生命力に魂が震えるはずです。